保険金受取人を変更したいとき、皆さんは、どうしますか。
保険会社や保険代理店の担当者へ連絡をして、変更の手続きをしますよね。
先日、受取人を変更を依頼された80代の女性がいらっしゃいました。
現在は、長男を受取人にしていますが、老後の面倒をみると言ってくれて長女に変更したいと。
契約者と被保険者が同じであったので、
受取人の承諾なく、受取人を長男⇒長女から変更ができます。
昔々の契約でも受取人変更は可能か
遺言書で、保険金受取人を変更できる契約は、
平成22年(2010年)4月1日以降のものに限られます。
これは、2010年4月1日に、新たに「保険法」が制定され、同日から施行されたためです。
保険法44条1項 (遺言による保険金受取人の変更)
「保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。」
遺言書には何と書く?
保険契約を特定できるように、下記の事項を保険証券を見ながら記載します。
- 保険会社
- 契約日、保険期間
- 保険金額
- 証券番号 など
- 受取人を誰から誰に変更する
ここで大事な1点
遺言者が被保険者でない場合、被保険者の同意が必要です。(保険法第45条)
遺言による受取人の変更は、遺言執行者から保険会社へ通知をしてもらいましょう。
保険会社への新旧の受取人からの請求で、
保険金をゲットできるのは、早い者勝ち状態になってしてしまいます。
従前の受取人に、保険会社が保険金を支払った場合、
変更後の受取人が保険会社に請求しても保険金は支払ってもらえません(保険法第44条2項)
保険会社的には、すでに支払っているので、新たな受取人と言われても、2重には払いませんよね。
結局は、新旧の受取人で話し合うことになりますが、
なかなかキビシイ話し合いです。
不当利得返還請求など裁判で解決するしか方法がありません。
今日のポイント
遺言書で、受取人を変更したいと思っている方は、遺言執行人の指定を忘れずに。
また、無駄な争いに発生させないように、事前に、保険金受取人を変更しておきましょう。