賃貸物件を3棟所有している山田さん85歳、入退院を繰り返してお亡くなりになりました。
山田さんの相続人は一人。近くに住む長男の太郎さんですが、ほとんど交流がありません。
山田さんの死後、公正証書遺言があったため、司法書士に不動産の名義変更を依頼しました。
ここまでは、問題ありませんよね。
相続人は一人。公正証書遺言書もありますから、太郎さんが賃貸不動産を引き継ぐことも当然です。
ただ1点、問題が発生しました。
長男の太郎さんは、名義変更を終えたので、司法書士事務所の手配で、山田さんが住んでいた部屋の片づけをしたのです。
ここで、ピンときた貴方は素晴らしい。
そうです、相続税の申告が残っています。
家財とともに部屋にあった書類を処分破棄してしまったのです。
もし、相続税の申告が必要だとわかっていたら、段ボールに入っていた書類一式を捨てることはなかったでしょう。
相続税の申告や(不動産所得があるので)所得税の準確定申告をするために書類がありません。どうしましょう。
答えは、あるもので申告せざるを得ない。です。
そうすると、税務調査が待っているかもしれません。
平成13年から導入されているKSKシステム(国税総合管理システム)で、過去の税申告関連データがすべて蓄積されています。
申告した相続税額が低いと、国税側に判断されると、税務調査の対象となってしまします。
親の財産を把握することは難しいです。いくら親子でも知られたくないものです。
遺品整理と遺産整理はイコールではない。
だから、賃貸物件をお持ちの方が亡くなった場合には、様々な書類を処分破棄する時期には気を付けましょう。