人が亡くなって、口座が凍結されて葬式費用が引き出せない。
こんな話はよく聞きました。
では、これはどうでしょう。「親の介護費用が引き出せない」

銀行は、親族による使い込みなどを防ぐために、預金者本人の意思確認ができないと引出をさせてくれません。当然ですよね。

以前は、通帳と銀行印を窓口に持参すれば、引出可能でした。
しかし、今ができません。

認知症になったら

認知症は、記憶や判断力の障害により、生活に支障をきたす状態です。
万が一、認知症になった場合、生活はどうなるのでしょうか。

銀行の口座は凍結されます。
振込振替はもちろん、引出ができません。定期預金の解約も。

自宅を売って、費用を捻出しようしても、契約ができません。
不動産を貸す・借りることもできません。

生命保険の契約や解約 変更もできません。
贈与ももちろんできません。

遺言書の作成もできません。

なんか暗くなることばかりですが、事実です。

病院に行くにも、スーパーで今晩のそうざいを買うためにもお金が必要です。
そのお金が引き出せないとなると、誰かが立て替えなければならなくなるのです。
子供本人の生活費のほかに、親の生活費や介護費用が必要になりますね。

親の口座からお金を引き出ししたい!

方法はないの?
あるような、ないような。。。

2021年2月 全国銀行協会が「金融取引代理等に関する考え方」を発表。

これは、高齢者の判断が下がった時に、家族が本人の預金引き出しについて、どう対応するのか銀行の指針となる「考え方」をまとめたものです。

金融機関の高齢者や代理人との取引を行う際の銀行窓口の参考となる指針であり、
今までと同じく、認知判断能力が低下した顧客本人との取引の基本は成年後見制度が原則です。


この成年後見制度では、
本人の代わりに財産管理や法律行為を行う後見人に、子供などの親族が家庭裁判所に選ばれることは少なく、司法書士や弁護士の専門家が任命されます。

後見人を交代も認められず、費用もかかる使い勝手が悪い成年後見制度をためらう親族がいるのも納得できます。

元気な今、できること

まず、皆さんが確認すべきことは、
実家の両親が、キャッシュカードを発行しているかどうかです。
キャッシュカードがない場合は作成しましょう。

また、代理人カード(家族カード)を発行してもらうのも手です。

これで、本人の代わりにATMで現金を引き出すことが可能になります。

銀行ごとの対応が異なりますが、
万が一に備えて、家族が口座管理をしやすくなるサービスが増えてきています。
サービスについては、次回にご紹介します。