せっかく、作った遺言書。財産を残そうと思っていた人が、自分より先に逝ってしまったらどうしますか。
人生100年時代。100歳の親 子供は70歳代なんてケースが多くなってきています。
親よりも先に子供が亡くなることも十分に考えられます。

先日、お客様で以下のようなお話を伺いました。

人生も残り少なくなり、遺言書を書いた山田さん。
妻は20年前に他界しているので、長男と次男に半分ずつ残すつもりです。同居している長男には、自宅の土地家屋を。次男には、預貯金を相続させる内容でした。

長男夫婦は同居して、妻の介護もし、山田さん自身の介護についてお金も時間も費やしてくれた。特に長男の妻には世話になった。
だから、今後、家賃の心配なく生活して欲しいので、長男に自宅を残したい。

と、なぜ、このように分けるのかを「付言事項」として記載されていました。

*「付言事項」とは、法的効力はないのですが、遺言する人の思いをつづることができます。

もし、長男が不幸にも山田さんより先に逝ってしまった場合、長男の子供が代襲相続人となり、長男の代わりに相続できる仕組みがあります。
が、遺言書に書かれていることは、長男に代わって自宅をもらうことはできません。
次男と以前死亡している長男の子供の遺産分割協議によらないと、自宅を引き継げません。

最悪は、次男が取得して、長男家族は追い出されてしまうかもしれません。
ぞっとする話ではありますが、よくあるケースです。

では、どうすれば良いのでしょうか。
遺言書に、長男が死亡している場合は○○する。次男が死亡している場合は○○する。と記載をしましょう。

遺言書を作るときは、財産を残したい相続させたい人が先に死亡したケースも考えて予備的遺言も書いておきましょう。

争わないように作った遺言書で、もらう人が亡くなっていることで「争続」になっては意味がありませんね。思い立った時が遺言書の書き時です。

予備的遺言を書いておきましょう。